かつて私が先達に尋ねた疑問やその答え、
あるいは後輩に尋ねられて話したことを編集しました。

Q:どうしたら速いテイクオフが出来ますか?

A:まずは波から落ちるのをやめましょう。

サーフィンの上達に悩んでいる
方のほとんどが
「テイクオフを速くしたい」
と考えています。

そのお気持ちはとてもよく解ります。
ですが「急がば回れ」です。

スタンディングの前までに
しっかりと波の揚力を受け止め、
確認をしてから立ち上がっていますか?

負のスパイラル

正しい技術をマスターする前に
速さを求めてしまうと、
小波では楽しめるのに
波が胸サイズを超えてくると
「怖くて楽しめないサーフスタイル」
に陥る可能性があります。

具体的にいうと
「波の揚力を受け止める前に
ノーズを下に向けて波から落ち、
落ちた勢いを利用してスタンディングする」
というサーフスタイルです。

波の揚力を受け止める前に
波から落ちてしまうと、
次に待っているのは失速、
そして後から来た波に押されることです。

「波から滑り降りて何が悪い?
波に押されて何が悪い?」

と思うかもしれませんが、
落下のスピードは制御が難しいのです。
少しでも波のサイズが上がり、
波に高さがでてくると
急激な加速に悩まされます。

また、押してくるパワーも
波のサイズが少し大きくなっただけでも
強烈になります。
小波とは比較にならないパワーです。
肩~頭の波に押されるのは怖いですよね?


以上の二つの理由で
「波から落ちて押される」タイプの
サーファーは、胸サイズを超えると
急激に恐怖を感じます。

そうなんです。
波の揚力を受けないサーフィンをしていると、
小波以外は怖くて乗れないのです。

波乗りをしましょう

では、どうしたらよいのでしょうか?
答えは「波乗りをする」です。

「波落ち」や「波押され」ではなく
「波乗り」です。
波が下から持ち上げてくれる力を
しっかりと受け止め、
それを確認してから立ち上がりましょう。


もしよかったら、ユーチューブなどで
上級者のテイクオフを確認してみてください。
背中をそった状態で
一瞬止まったように見えると思います。
勿論、そうじゃないときもありますが、
余裕を持った普通のテイクオフのときには、
上級者は慌てて立ち上がったりしません。

「急がば回れ」です。
波に置いて行かれるのはイヤなものですが、
波から落ちるよりもマシと考えて、
トライ&エラーです。

上画像の上級者のように、
しっかりと揚力を受け止め、
確認をしてから立ち上がってください。

テイクオフ用のボードを手に入れよう!

では、
これを読んだだけで良いテイクオフができるか?
と問われれば、
それは「難しい」と答えます。

なぜかというと、
「落ちて押される」タイプのサーファーは、
決まって薄くて細いボードが好きなのです。
つまり、元々揚力が発生しにくいボードなのです。
その上、サイズのある波は怖いので
避ける傾向があります。
さらに、パワーのないポイントを
選びがちになります。
こうなると「負のスパイラル」に陥ってしまい、
同じ技術レベルのまま数十年ということも・・・

そんな恐ろしい状態になる前に、
揚力を受けやすい
サーフボートを手に入れましょう。

ロングボードでも良いのですが、
「波に乗れてしまう」状態を作りたい訳ではないので、
「幅広め、長さは短めの板」での練習がオススメです。

今持っている板はそのままで、
テイクオフ用に幅広めの板を入手すれば、
上画像の状態をつくりやすくなります。

テイクオフ用の板で
波とのやり取りを覚えてしまってから、
細くて薄い板に乗ることをオススメします。

流行のフィッシュなどでもいいですし、
浮力に余裕のあるミニボードなどが
テイクオフをマスターする近道になると思います。

結構な出費にはなりますが、
何本もの薄くて細い板に
同じ技術で乗り続けるよりも、
結果的に安上がりです。



田淵ロル

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