こんにちは、田淵ロルです。

最近ではサーフィンスクールが沢山あるので、
初心者から中級者、あるいは上級者まで
レッスンを受けられる環境が整ってきました。

指導者が増えた分だけサーフ理論も多様化し、
受講者側の選択肢が増えて嬉しい一方、
取捨選択は難しくなってきます。

例えば
複数のコーチのレッスンを受けてしまうと
「言ってることが真逆だ。どっちが真実なの?」
という疑問を持ってしまうことがあります。
初心者や初級者にとっては知識や経験がないことですので、
判断に苦しむかもしれません。

結論から言ってしまうと、
「どちらのコーチも正しい」ことを仰ったのだと思いますが、
受講者側からすると、逆のことを正しいと言われても
納得出来ないと思いますので、
少し説明したいと思います。


基本的にどんな先生でも、
生徒さんに「上手くなってもらいたい」と思っています。
ですので、適当にウソを言ったりはしていないのですが、
物事は切り口次第で違って見えることがあります。

例えば、
スノボのレッスンで先生が
「もっと前に荷重して!後傾になってるよ」
と指導することがあります。
指導者から見て、
その受講者は斜面を怖がり身体が遅れ、
後ろ荷重になり過ぎていたので
上記のアドバイスが必要だった訳です。
アドバイスを受けた受講者は、
荷重位置を修正して
以前よりも良いポジションで
楽に滑れるようになります。

さて、
では斜面を滑る上で
「前に荷重することが常に正しいのか?」
というと、
実はそうではありません。
スノボロボットを作って
ターン中に前に重心移動するように
動作をインプットしてしまうと、
外力に対する抗力が減少して
転倒する可能性があります。
つまり、
ターンのメカニズム的には、
「ターン中の前方向への荷重移動が間違い」
である局面が存在するという訳です。

だからと言って、
メカニズム的に正しいアドバイスを
後傾の初心者にしてはいけません。
後傾が悪化してしまうからです。
指導者は
初心者に利益のあるアドバイスを選ぶのです。

感覚的には「前だ!」
しかし、メカニズム的に「後ろだ!」
という説明を逐一しないので、
上記2つを混同してしまえば
「先生同士の言っていることが逆だ」
ということになります。

ですので、
レッスンを受けるときには
「〇〇プロと違うこと言ってるから駄目なコーチだ」
というような偏狭な視点ではなく、
そのコーチの真意を受け取れるように
柔軟な心構えを持ち、
疑問があるようでしたら
遠慮なく質問することをオススメします。
きっと真摯に答えてくれるはずです。



ここからは余談になりますが、
サーフィン界にも
「前足荷重が正しい」「後足荷重が正しい」
というような一見真逆の意見が存在します。
上記のスノボの例のように
どちらも正しいと思うのですが、
「感覚的なものなのか?」
「メカニズム的なものなのか?」
を分けて考えることをオススメします。
指導者の表現には
人それぞれクセがあるので、
感覚派か?メカニズム派か?それらの混同派か?
受講者は指導者のタイプを考慮しながら受講すると、
理論への理解も深まり、上達も早まると思います。

ちなみに、
ショートボードでのライディング中に
後足を上げることは可能ですが、
前足を上げると一瞬で失速してしいまいます。
「前足だ」「後足だ」と
アドバイスを受けた場合には
それが「感覚的なものか?」
「メカニズム的なものか?」
意外と簡単に判断することが可能です。

ただし、何度も受講したら
「全然違う意味のアドバイスだった」
ということもあると思います。

ですので、
受講者自身でアドバイスの内容を考察したうえで
指導者に確認をとることをオススメします。



田淵ロル



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