テイクオフのパドリング

1.サーフボードの姿勢

パドリングと聞いて連想するのは
背中の反り方だったり、
腕の回し方だったりすると思います。
モチロンそれも大切なのですが、
【基礎サーフィンのススメ】からの提案は、
テイクオフ時の
サーフボードの姿勢をコントロールするパドル
についてです。

自分の姿勢も大切ですが、
サーフボードがどんな状態か?を把握し、
パドリングや自分の体重移動で
サーフボードの姿勢をコントロールする
ことが、良いテイクオフをする上で
大切だと思います。

2.テイクオフ時のパドルの速さ

テイクオフ時のパドルの速さは、
単純なパドルだけでは決まりません
シッカリと揚力を受けているかどうかで、
スピードは全く違ってきます。

また、揚力をしっかりと受け止めていれば、
たくさん漕がなくても
十分に波に乗ることが出来ます。
波と同調することが目的なので、
上級者になってくると、
むしろ、速くなり過ぎないように
コントロールする場面も増えてきます。

3.大切なのは【波との同調】

初心者の方の場合は、
どうしてもスピードを求めてしまうので、
ノーズを下げて波から落ちることで
スピードをつけすぎ、
その後ボトムで急激に失速します。
結果として、波が岸に向かうスピードより、
速すぎたり、遅すぎたりの
場面がほとんどになり
波と同調することができません。

波と同調していない
揚力を受けることができないので、
サーフボードの浮力に頼った
重く沈んだような
サーフィンになってしまいます

上級者はその状態を避けています。

波に乗り遅れるのは嫌なものですが、
波を追い越すほどスピードをつけ過ぎ、
揚力を手放しては元も子もありません。
落下で得たスピードによる揚力は、
ボトムの水の抵抗でスグに失います。

 


   

上級者は、
テイクオフ時にサーフボードのボトムを下から
直接持ち上げる水の動きを捉えます。

リバーサーフィンの画像を見ると
理解しやすいのですが、

テイクオフの時に、
この状態↑を作ってしまうことが、
後のサーフィンを大きく左右します。

↑画像のサーファーは
岸視点でみれば動いていますが、
波が岸に向かうスピードと同調しているので、
波視点で言えば、ほぼ動いていません
すると、サーファーの下にある水が
相対的に動いていることになります

リバーサーフィン状態になるのです。

上級者は、
波から落ちたり
波に置いていかれたり
しないようにバランスをとっています。

上画像のサーファーは
リバーサーフィンと同様に、
強く揚力を受け、
自分の重さを揚力に預けているのです。

サーフボードが下からくる水を受け止め、
自重と揚力の釣り合いが取れると、

上画像のような、自由な状態が手に入るのです。

4.具体的な練習方法

「上級者は波から滑り落ちながら
テイクオフしていない。
同調を大切にしている」
ということを説明してきました。

波との同調によって揚力が生まれること、
そのために「波から落ちないことが重要」
だと説明してきました。

では、波から落ちないためには、
具体的にどうするのか?

というと、「パドルをしながらノーズの動きを
コントロールできるようになる」ことが大切です。
ノーズの上げ下げを自在にコントロールすることで、
「波から落ちず」「波に置いていかれず」
の状態を保てるようになります。

まず習得すべきは、ノーズの高さを一定にしながらも
シッカリと推進力のあるパドル。
自分が激しく動いても、ノーズを上下に動かさない。
それが大切です。

具体的な練習方法は、
『ノーズを水面ギリギリ下に保ったままパドルする』
練習です。ノーズがチョットだけ水面下です。

誤解のないように言うと、「このパドルが最速だ」
という訳ではありません。
こうすることで、「ノーズの動きを司る技術が
マスターできる」という、ただの練習方法です。

初心者のうちは、
どうしてもパドル中のノーズが上を向きがちです。
それを矯正する練習です。
水面からノーズが出ないようにパドルするのですが、
初心者の方には意外と難しいと思います。

ですが、この状態を維持できないということは、
サーフボードの後ろ側にぶら下がるように
パドルしているということです。

厳しく言うと「コントロールを放棄している

ですから、
サーフボードをコントロールする
最初の一歩として、
良い練習になると思います。

一日中やるのは大変なので、
波待ちの間や、沖での移動時に
軽く試すくらいの練習でも、
たくさんの勉強になると思います。

このコントロールができるようになると、
サーフボードのフラットな状態を把握できるので、
ノーズの上げ下げについても、次第に
できるようになるでしょう。

5.次に海に行った時に・・・

波に乗ろうとして、ノーズを岸にむけると
当然ですが、テールは沖に向いています。

テイクオフのためのパドルを始めると
波は後ろからやってきます。

パドルに一生懸命で、
気付きにくかったとは思いますが、
波がサーフボードのテールを
持ち上げ始めるのを感じてみてください。

最初はわかりにくいかもしれませんが、
これを感じようとすることが、
ものすごく大切です。

もし、持ち上げられるのを
ほんのチョットでも感じることが出来たら、
今度は、持ち上げられる位置が
徐々に前に来るのを感じてみてください。
波の押上げがミゾオチ辺りまで来たら、
波と同調できているかどうか?
落ち着いて確認してください。

パドルをやめると波に置いていかれる状態
であれば、まだ同調できていません。
もっと、揚力を受け止める操作が必要です。
多くの場合はノーズの下げすぎで、
ノーズを上げると解決する場合があります。
波に置いていかれそうになると、
つい、ノーズを下げがちですが、
初心者の方は、
逆の場合もあるので注意が必要です。

もし、上手く同調できて、
パドルなしでも、波と同じ速度で進みだしたなら、
パドルを止め、手をボードについて、
「押上る力」と「自分の重さ」を合わせるようにして
バランスをとります。

波の押上げの部分でバランスをとるのが重要です。
その部分よりも、前でも後ろでもいけません。

そのバランスを崩さず、
そのままスタンディングしてください。
立ち方は前の記事に詳しく書きました。

もし、これが出来たら・・・
違う世界が待っています。



田淵ロル




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